日本伝統の色「藍色」-JAPAN BLUE-　淡路島で無農薬有機肥料で作られた生きた染料「おのころ藍」で藍染体験

「おのころ藍」とは、原材料である蓼藍（たであい）を淡路島の生命力豊かな土壌で農薬や化学肥料を使用せず、できるだけ自然の循環に添えるような藍作を心掛けて作られた”生きた染料”です。

淡路の湧き水や木灰、麸（ふすま）など自然界からとれる原材料のみを使用し、微生物の発酵による力を借りて染色液ができあがります。この天然染色はそれを身にまとう私たちに心地よさを与えて優しく守ってくれるだけでなく、地球に優しいサスティナブルさを持ち合わせているのです。

微生物の力によりしっかりと自然発酵をして生まれた色素は、堅牢度も高く、とても美しい発色に仕上がります。また布を強くし、抗菌作用や紫外線から身を守ってくれるなど藍染めの本質的な要素をしっかり引き出します。

体験では敷地内の藍畑見学や、種蒔きから染料づくりのプロセス解説も行われ、おのころ藍のすべからく丁寧に染め上げていく伝統的な発酵染料を使用した藍染めをうかがい知ることができます。

化学染料とはひと味違う、風土豊かな淡路島で育まれた原料を使用した天然染料の藍、ならではの奥深きブルーにときめくテロワールを感じる旅はいかがでしょうか。

STEP01 – パターン見本の中からご希望の柄を選択し、専門的な道具を使用して模様づけを行います。
STEP02 – 染め液に浸して藍染め。何度も染め重ねてお好みの色に仕上げていきます。
STEP03 – 水洗いをして完成。

出来上がった作品はお持ち帰りいただけます。

藍は染料としてだけではなく古くから薬用植物としても親しまれてきており、抗炎症作用、抗菌作用、抗酸化作用、防臭・消臭作用などがあると言われています。またおのころ藍はオーガニック製品でもあります。それらの特性から、藍を使用した薬効が期待できる石鹸やルームスプレーに、チョコレート、パン、ハーブソルト、チャイといった飲食物とのコラボレーション製品も数々生まれています。

生きた染料と循環について

＜畑作り＞
ちりめんカスや竹チップ、廃菌床などの有機資源を使用して畑の土づくりをしています。
豊かな土壌にしっかりと根を張りおのころ藍は育っていきます。

＜藍染液作り＞
刈り取った藍草の葉のみを選別し乾燥させた物を積み、冬の間、水打ち、切り返しを数十回繰り返しながら約100日間かけて醗酵させて蒅（すくも）と呼ばれる染料になります。

出来上がった蒅に樫、楢、椚などの木灰からできた灰汁（あく）を混ぜ合わせ、微生物の活性を促し醗酵させていきます。発酵による還元作用で水に溶けない性質の藍の色素を溶かし出し、藍染めができる状態になります。

蒅から染めれる状態の染色液を作ることを藍建てといいます。

＜藍染液の維持管理＞
微生物の働きが藍の色の出具合を左右するため、「襖（ふすま）」や「貝灰」などを使用し活動のしやすい環境を整えて維持管理をしています。
小麦を製粉する時にできる外皮、麸（ふすま）は、米で言うところの糠（ぬか）です。食物繊維やカルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛といったミネラル分が微生物の餌となり発酵を促してくれます。

貝殻を焼いて作る貝灰は発酵が進んだ際に状態を整えるために使用し、藍染液を落ち着かせます。

AWAJI藍LAND project について

「おのころ藍」と名付けた、原材料である蓼藍（たであい）の自家栽培から“蒅（すくも）”という発酵染料作り、微生物の力を借りた生きた染色を行っています。藍から紡がれていく、染色やものづくり、さまざまな体験、食藍の可能性の模索などをテーマに地域に根ざした活動で地場産業化を目指すプロジェクトです。

2021年NHK大河ドラマ『青天を衝け』では藍に関するシーンの演出、指導として参加させていただきました。
染めさせていただいた反物がなびく絵に、江戸時代も藍の色は人を魅了していたんだろうなぁと藍の歴史にわくわくとしました。

大切にしている自然のサイクルや人や想いを巡らせる活動に共感していただき、海のような空のような地球のような、輝く青色で少しでも暮らしに豊かな彩りを添えれればと思っております。